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令和4年度3学期始業式「校長講話」

 新年明けましておめでとうございます。

 学校は年度制で3月まで令和4年度は続きますが、社会は2023年 令和5年の新しい年がスタートしました。
 この冬休みは年の瀬、年越し、そして新年を迎え、さまざまな催しに関わりながら願いごとをしたり、改めて自分に向き合い目標を考えたりしたのではないでしょうか。また、今年は十二支の4番目になる卯年です。この十二支は動物に例えられています。神様が動物に招集をかけ、到着した順などで決まったと言われているおとぎ話がありますが、もともとは、季節によって変化していく植物の様子を表した漢字の読みや漢字そのものを当てたとの説もあります。その考えから表した今年の漢字は「茂」です。また、「卯」とも書きます。卯年の卯は門が開いている様子を現し、漢字の由来は祭壇に供える肉を2つに分けた意味もあるようです。また、12年前の卯年は、東日本大震災が発生しサッカーワールドカップでなでしこジャパンが優勝した年でした。

 さて、始業式です。新年にあたり我が国について皆さんと一緒に考えたいと思います。まず、日本が他国に自慢できることはたくさんあります。例えば、国民性と言われている正義感や協調性。そして道徳性です。また、文字の読み書きを示した識字率はほぼ100%で、成人の世界平均78%を大きく上回ります。3点目は中流階級であるとの意識を約9割の国民が持っていること。そして、平均寿命は世界一位ではなくなってしまいましたが依然としてトップクラスであること。5点目は、人口に対する犯罪件数が少なく治安の良さも特質することです。見方によればもっと挙げられますがこれらは日本人としての誇りでもあります。
 しかし、その反面日本の弱点や弱みが大きくクローズアップされています。①「貧困などの格差問題」②「少子高齢化による人口の減少」③「人材不足や賃金の据え置き」④「インフレ」⑤「都市への一極集中による地方の衰退」⑥「食料の自給率は38%で6割が輸入」。さらに、⑦「フードロスが3割にも達していること」⑧「労働者の4割近くが非正規雇用労働者」などです。
 このように、世界に誇る我が国の良さがある一方で課題も表面化しています。弱みを克服していくには、これからの社会の担い手である皆さんに依るところが大きいと思います。そこで、これからの生活において意識してほしいことは、まず規範意識を高めてほしいことです。いずれ社会人となり社会に貢献する大人になるわけですので、社会は勿論、学校のルールを意識して生活しましょう。また、自分の都合でルールの基準を変えないことや、我慢することも大切です。次は、学習意欲です。解けなかった問題が解けた時の喜び、知らなかった知識を習得し活用すれば豊かな人生につながります。そして、国内はもとより世界で活躍するためのコミュニケーション能力や学力を身につけてください。最後に、自己肯定感を育みましょう。他者と比較することなく自らの存在を認め、自信を持ってください。自分の良さは発見するのではなく気付くことが重要です。

 今年は、社会や世界に目を向け、課題を見つけ解決する力を育むことに取り組み、卒業や進級に向け、一人ひとりが大きく「飛躍」する年になることを期待しています。

令和5年1月10日
日本女子体育大学附属二階堂高等学校
校 長  工 藤 公 彦