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ダンサー

永野 沙紀
2007年度卒業

小学生の時に通っていたダンススクールの先生が、日本女子体育大学(ニチジョ)の卒業生だった。その先生のダンスを、うっとりキラキラした眼差しで見ていた私は、子ども心に思った。「私もニチジョに行けば、こんな風に踊っていけるんだ!」そうしていつしか、ニチジョに行くことが私の中で決まっていた。

ある時、ニチジョに附属の高校があることを知人から聞いた。え、そうなの? そうなんだ!どんな高校? 調べてみて驚いた。興奮した。二階堂高校は、その名を全国に轟かせる、ダンスの超強豪校だった。決まった。決めた。私は二階堂高校に行く!

二階堂に進学して、当然のことながらダンス部に入った私の高校での3年間は、まさにダンス漬け。身も心も、濃く深いダンス色に染まりに染まる3年間を過ごした。

高校卒業後の進路は、もちろんニチジョだ。 だって子どもの頃から決まっていたことだから。

そしてニチジョで私は、また別の新しいダンスの魅力と出会うことになる。
高校で打ち込んだのは、いわゆるモダンダンス。大学ではコンテンポラリーというジャンルのダンスの洗礼を受けた。今まで知らなかった身体の動き、身体を通じた他者との掛け合い…。すべてが新鮮で魅力的で、私はさらにダンスにのめり込んでいくことになる。
そうして今は、舞台出演やワークショップの講師などを務めるコンテンポラリーダンサーとしての活動を続けている。

私にはもう一つ、神田神保町の老舗喫茶店の店員としての顔がある。その店にはスタジオが併設されていて、空いている時には使わせてもらえるのはうれしいことだし、喫茶店の仕事も大好きで、私にとって大切なことの一つであり続けている。

それにしても、なぜ私は、人は、これほどまでダンスに魅了されるのだろう。確からしいことがある。これからも、私は、人は、ダンスを忘れることはないだろうということだ。

[2021.06収録]