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ダンサー

保野 優奈
2010年度卒業

芸能事務所に所属して、今は「千と千尋の神隠し」というミュージカルに出演しています。私はいろんな役で登場するので、舞台袖で早着替えしながら、踊ったりパペットを操ったりしています。

コロナ禍で思ったように練習できず、ぶっつけ本番で初演に臨んだ時はどうなるかと思いましたが、何とかみんなで最後までやりきることができ、公演後に号泣してしまいました。今回の舞台は120回公演というロングランなので、毎回の演技で同じ熱量を保てるように気をつけています。

ミュージカルが好きで、子どもの頃からジャズダンスやタップダンスを習っていました。二階堂高校の学校説明会でダンス部を見て、自分もここで踊りたいと思って入学しました。ダンス部での3年間は本当に濃い体験でした。辛い時も苦しい時も仲間と一緒に乗り越えてきて、ホントにあそこまで真剣に頑張ったことはないんじゃないかなって思います。あのときの体験が今も私の背中を押してくれるというか、「あの時あれだけ頑張ったんだから」って思うと、少しくらい辛くても乗り越えられます。
二階堂を卒業して日本女子体育大学に進み、コンテンポラリーダンスをやっていました。大学を卒業して、子どもの頃から好きだったミュージカルをやりたくて、芸能事務所のオーディションを受けました。それからは、2.5次元ミュージカルで踊ったり、舞台がない時はアルバイトもしていました。

今年で29歳になりますが、今もダンス部の仲間とは会います。本当は、今のオーディションに受かっていなかったら、舞台で踊るのはいったん止めようと思っていたんです。そろそろ裏方と言うか、人を育てたり、教える方に回ってもいいのかなと…。でも今の舞台で、素晴らしい仲間や尊敬できるスタッフに出会えたので、「もう少し舞台の仕事を続けてみよう」と思えるようになりました。

今になって思うのは、高校時代にもうちょっと勉強しておけば良かったということですね(笑)。私が後輩にアドバイスできるとしたら、高校3年間のうちに、なんでもいいから自分が本当に熱中できることをやっておくといいと思います。その経験は、大人になった時に、きっとあなたを支えてくれますよ。

[2022.06収録]